2018-10-26

エゾミズゼニゴケ


 これも北八ヶ岳産をコケサロンでいただいたもので、エゾミズゼニゴケ Pellia neesiana です。


 上の写真の中央の膨れた部分は、若い胞子体を包み込んでいる包膜でしょう。 この膨れた部分の断面を作ると・・・


 赤い糸くずが入ってしまいましたが、包膜の中にはカリプトラで守られた若い胞子体がありました。


 上の写真の中肋周辺にたくさん見られる小さな盛り上がりは雄器だと思うのですが、エゾミズゼニゴケは雌雄異株です。 雌株と雄株が混生しているのだと思うのですが・・・
 下はこの雄器らしきものの断面ですが・・・


 雄器らしきものの断面をつくると、中は空洞でした。 胞子体ができていますから、受精は過去のもので、空洞でも不思議は無いのですが・・・


 上は葉状体の断面です。 仮根が切断面にくっついてしまいましたが、写真の中央付近に細胞壁の厚い細胞が集まっています。 これが肥厚帯と呼ばれているものだと思います。 肥厚帯はホソバミズゼニゴケには見られません。
 下は上と同じ断面ですが、ピントを少しずらし、明るさを下げて撮っています。


 上の写真の赤い楕円で囲んだ所に2細胞性の粘液毛が見られます。 粘液毛はホソバミズゼニゴケでは腹面にのみ存在しますが、エゾミズゼニゴケでは腹面にも背面にも存在します。

こちらには本種の成熟した胞子体で、カリプトラや胞子・弾糸などの様子を載せています。 また、こちらにはこれから造精器が作られると思われる時期の雄株の様子を載せています。

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