2018-11-24
イポメア
上はルコウソウで、学名は Ipomoea quamoclit、イポメア属です。 ルコウソウは熱帯アメリカ原産のツル性の1年生草本で、世界各地に帰化植物として入り込んでいます。 葉の切れ込み方はかなり異なりますが、じつはアサガオ I. nil も イポメア属です。 この属は他にもサツマイモやホシアサガオなど、身近なところで多くの仲間を見る事ができますが、いずれもアサガオに似た放射相称の花をつけます。 ところが・・・
上はこの秋に京都府立植物園で見た花で、花の色はツボミの時は赤く、次第に白くなるようです。 なかなか美しいおもしろい花だと思って見ていたのですが、ラベルを見ると、キンギョアサガオとあります。 「アサガオ!」と思ってラベルの学名を確かめると、Ipomoea lobata とあり、イポメア属ではありませんか!
花は生殖器官であり、メシベやオシベがどのようになっているのかは本質的なことがらです。 ツボミがたくさんある割には、メシベやオシベが見られる(=咲いている)花は少なく、花の寿命は短いようですが(その点はアサガオに似ています)、下が咲いている花です。
ツボミの形態からも想像できますが、メシベやオシベを見ると、放射相称の花ではなく、はっきりとした左右相称の花です。 同じイポメア属にこんな花があるとは驚きです。
帰宅後に調べてみると、メキシコ~南アメリカに自生している植物で、本来は多年草ですが、寒さに弱く、日本では園芸的には1年草として扱われているようです。 以前は Mina lobata という学名であったようですが(形態を見るかぎり、イポメアとは別属と考えるのは当然でしょう)、遺伝子レベルの研究もあったのでしょうか、現在は上記のようにイポメア属に変更されています。 なお園芸的には、旧学名の「ミナ・ロバータ」という名でこの植物を扱う場合も多いようです。
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