木の根元にあった写真のコケ、コクサゴケ
Dolichomitriopsis diversiformis のようです。 蒴は円筒形で、直立しています。 京都府北部に位置する芦生には北方系のコケも入り込んでいて、本種も北海道~九州に分布していますが、比較的北に多いとされているコケです。
ほぐしてみると鞭枝が見られました。
こちらに載せているコクサゴケでは鞭枝は見られなかったので、気になって調べてみました。
平凡社の図鑑では、同じ科のヒメコクサゴケ Isothecium subdiversiforme については、「枝先は細く、ときに細い鞭状に伸びる。」とありますが、本種については「枝先はあまり細くならない。」とあります。 枝先が細くなることと、枝全体が鞭枝となることとは別かもしれませんが・・・。
コケ雑記さんの記事でも、鞭枝のあるコクサゴケが載せられています(
こちら)。 生育環境によって、鞭枝が見られたり見られなかったりするのかもしれません。
枝の幅は、葉を含めて1~1.5mm、葉は長さ1~2mmで、舟状に凹んでいます。 上の写真は濡れた状態ですが、葉はそんなに開いていません。
中肋は葉の中部以上に達していて、少し左右にゆれています。
葉先は鋭頭で、細かい歯があります。
翼細胞は丸みのある方形です。
(2019.5.25. 京都府 芦生研究林)
◎ コクサゴケは
こちらにも載せています。