2018-07-22

コクサゴケ


 写真はコクサゴケ Dolichomitriopsis diversiformis でしょう。


 上の写真の黄色の四角で囲んだ所がコクサゴケです。 コクサゴケはこのような樹幹の基部や朽木によく見られます。


 枝の幅は葉を含めて1~1.5mmほどです。


 葉は舟状に凹んでいます。 中肋は葉の中部以上に達しています。 上の写真の倍率では、葉は全縁のように見えますが・・・


 葉先は鋭頭で、上の写真のような小さな歯が見られますが、ほとんど全縁のような葉もありました。


 中肋はふらつきがちで、ときに短く分枝する傾向が見られます。


 翼細胞は丸みのある方形です。 なお、上の写真は深度合成しています。


 葉身細胞は厚壁です。 長さは平凡社の図鑑では 16~25μmとなっていますが、もっと長い細胞ものもたくさんあります。


 上は少し離れた所で採集したもので、胞子体をつけて少し弱っているようですが、やはりコクサゴケだろうと思います。 蒴は円筒形で直立し、蒴柄の長さは1cmほどです。


 上は蒴歯を蒴の内側から見たものです。 上の写真には外蒴歯が7本写っていますが、16本あることは確認できています。
 平凡社の図鑑には「内蒴歯の歯突起は破片状で外蒴歯に付着する。」とあります。 上の写真の外蒴歯の基部にあるものがそれなのか、よく分かりません。

(2018.6.1. 青森県 蔦沼めぐり自然研究路)

◎ コクサゴケはこちらにも載せています。