2020-01-23

蒴をつけたヒメミノゴケ


 たくさんの若い蒴をつけているヒメミノゴケ Macromitrium gymnostomum がありました。 上の写真は湿った状態で葉は開いていますが、ミノゴケのように葉先が腹側に曲がることはありません。


 上は乾いた状態で、葉は著しく巻縮しています。 ほんの少しですが、生長して膨らんだ蒴がありました。 蒴柄は6mmで、平凡社の図鑑では5~8mmとなっています。 以下、この蒴について観察しました。


 帽を外して観察しました(上の写真)。 蓋にも嘴があります。 Macromitrium(ミノゴケ属)の多くの種の帽には長毛が上向きにつくのですが、本種の帽には、縦ひだはありますが、毛はありません。



 蒴歯の様子を観察したいのですが、まだ若い蒴で蓋は外せませんので、帽のついた状態で蒴を縦に二分し、蓋と壺との境付近にピントを合わせて撮ってみました(上の写真)。 上の2枚の写真は、1枚目は蒴の内側から、2枚目は蒴の外側から撮ったものです。
 Macromitrium(ミノゴケ属)の蒴は内蒴歯を欠き、多くの種では16本の外蒴歯があるのですが、本種では外蒴歯も欠いています。


 葉は狭披針形で鋭頭、中肋は葉先に達しています(上の写真)。


 上は葉身細胞です。 細胞は小形で長さは 10μmに達せず、多くのパピラがあって暗く、細胞の輪郭ははっきりしません。

(2019.12.28. 岡山県井原市)

こちらでは本種の葉や無性芽について書いています。

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