2020-04-07

シロクサリゴケ、ヨウジョウクサリゴケ


 錆びたガードレールについたコケ、ドーナツ状になった群落が連なっています。 Mさんの考えによると、これらの群落のスタートは“ドーナツ”の中央から始まり、円の径が大きくなるように周囲に群落が広がる一方で、中心部は枯れるなどで剥がれ落ち、結果的にドーナツ状になったのではないかということでした。
 これらの“ドーナツ状群落”にはいろんなコケが混生していました。 Mさんは屋久島に顕微鏡を持ち込まれており、夜ホテルでこれらのコケを顕微鏡で観察しました。 下はその時撮影したコケのうちの2種です。

● シロクサリゴケ Cheilolejeunea xanthocarpa


 愛知県以西の分布とされています。 背片の腹縁が葉先にかけて著しく内曲しています。 腹片も細長く背片の1/2ほどの長さがあるのですが、上の写真ではその大部分が内曲した背片に隠されてしまっています。 腹葉は茎径の3~4倍幅の横広の楕円形で全縁です(2裂していません)。 油体は大きく、上の写真の倍率でもはっきり分かります。

● ヨウジョウクサリゴケ Drepanolejeunea follicola



 紀伊半島以南の分布とされています。 腹葉の裂片は、基部は1~2細胞幅ですが、4~7細胞長の長さで、90度以上に開いて長く伸び出しているのが印象的です。
 背片は楕円形で先端は鈍頭です。 腹片は楕円形で、第1歯は大きな単細胞です。

◎ ヨウジョウクサリゴケはこちらにも載せています。


(2020.3.3. 屋久島)

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