上は北海道・
苔の洞門のすぐ近くで、2020.8.31.に撮ったカラスシキミ
Daphne miyabeana です。 本州の鳥取県大山以東の日本海側と北海道に分布するジンチョウゲ科の常緑小低木です。 花はジンチョウゲによく似た形の白い花で、ジンチョウゲ同様、花弁に見えるのは4裂したガク片です。
上の2枚は京都府北部で、2019.5.26.に撮った写真ですが、花は既に終わって青い小さな実になっていますが、その上に4裂したガク片が張り付いています。 写真の地域の花期は5~6月のはずで、探せば花をみつけられたかもしれませんが・・・。
ところで、和名の由来はどのように理解すればよいのでしょうか。 高木になるシキミ(マツブサ科)は、花は白色ですが形は異なりますし、果実も全く似ていません。 ですから、木の大きさや花の大きさの違いを「カラス」で表したと書かれてあるものを目にしますが、賛成できません。 これでは「カラス」が「小さい」ことを意味するようになってしまいます。
ここでのシキミは、花の様子は異なりますが同様に白い小さな花が咲き赤い実をつけるミカン科のミヤマシキミやツルシキミのことではないでしょうか。 そしてこれらのミカン科の「シキミ」と似ていて違うものであることを「カラス」で表したものだと思います。 「カラス」は黒っぽいものを現すのによく使われますが、この場合は、頭がよくて人が予想出来ないこともする(結果的にだまされることもある)ところからではないでしょうか。