2021-03-20

アオシマヤスデゴケ

 

 写真はアオシマヤスデゴケ Frullania aoshimensis でしょう。 眼点細胞がつながって見えています。 いろんなコケガ絡み合っている中にありました。
 上は新しく伸びた部分で緑色が出ていますが、赤褐色で、肉眼ではサイズ的にもよく見るカラヤスデゴケとほとんど変わりません。 分布は平凡社では千葉県以南となっています。

 上は腹面から腹片にピントを合わせて撮っています。 腹片は長さが幅の2倍ほどの円筒形で、茎とほぼ平行についています。

 腹葉は細長く、茎径の 1.5~2倍幅で、1/3~1/2まで2裂しています(上の写真)。


 上の2枚は背面から撮っています(2枚目は緑藻が混じっています)。 背片にある眼点細胞は、多くの場合、8個以上が1~2列に並んでいます。

 腹片が円筒形で眼点細胞が1列に並ぶヤスデゴケの仲間は数種ありますが、よく見られるシダレヤスデゴケは背片の先が尖っていますし、ホソヤスデゴケは列に並ぶ眼点細胞の数が6個以下で、腹片が茎の方向に傾きます。

 上は背片の葉身細胞です。 細胞壁はあまり波打っていません。

 上は腹片で、左にはスチルスが写っています。 腹片の細胞は細長く、細胞壁は波打っています。

(2021.3.3. 宮崎県日南市)

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