2021-04-08

胞子体をつけていたヨウジョウクサリゴケ

 

 胞子体をつけている葉上苔類がありました(上の写真)。 上の写真は真上から撮っていて、花被が5稜であることはよく分かるのですが、横から撮っていないので、蒴柄の長さが分かりません。 しかしこの小ささでは横からレンズを近づけるのは何らかの工夫をしないと無理です。

 上は顕微鏡で花被から顔を出した胞子体を見ています。 胞子の入った蒴は光を通さず真っ黒です。 胞子を出し終えた胞子体も観察しましたが(写真が良くないので載せません)、蒴柄はそんなに長く伸びないようです。

 上の写真の、背片と腹片の間にある丸いものは造精器でしょう。 腹片の第1歯(歯牙)は大きな楕円形の単細胞で、第2歯は不明瞭です。

 上は腹葉です。

 上は背面から撮っていて、背片の基部近くに眼点細胞が確認できます。 以上の観察結果から、このコケはヨウジョウクサリゴケ Drepanolejeunea follicola と判断しました。 なお、花被が5稜であるのは、Drepanolejeunea(サンカクゴケ属)の特徴です。

(2021.3.3. 宮崎県日南市)

◎ ヨウジョウクサリゴケはこちらにも載せています。

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