2021-08-14

オオベニハイゴケ


 秋田駒ケ岳の標高1.430m付近の湿った斜面に生えていた写真のコケ、若い葉は黄緑色で、少し古くなると赤褐色になっています。 ハイゴケ科はなかなか難しいのですが、オオベニハイゴケ Calohypnum sakuraii だろうと思います。 ハイゴケより湿った所に多く見られるようです。


 茎は這い、不規則な羽状に分枝しています。 葉を含む枝の幅は 1.5mm前後です。

 上は茎葉で、強く鎌形に曲がっています。 葉の基部は直線的で、あまり心臓形にはなっておらず、淡い黄色です。 葉縁にピントを合わせていますので中肋はぼやけていますが、二叉して短い中肋があります。



 上の3枚は翼部です。 葉縁基部には大形で透明な細胞があり、その上に1~2列の小型で方形の細胞があります。

 上は葉身細胞で、長さは50~100μmでした。

 上は葉先です。

 上は枝葉です。

 上は茎の断面(の一部)です。 表皮細胞は小さく厚壁です。 外側の壁がやや薄い傾向は無いようです。

 本種はハイゴケに似ていますが、両者の違いとして、平凡社の図鑑では、本種の方が、① 枝葉がより細く、② 基部があまり心臓形にならず、③ 葉身細胞がより長く、④ 翼部の透明細胞の上の方形細胞の数が少ないことなどを挙げています。

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