2021-08-07

ヒナトラノオゴケ

 上は 2021.7.9.に秋田県の標高 1,000mほどの所で撮った写真で、2種類のコケが木の根元を覆っています。 茎の短い方はタカネカモジゴケかと思っていますが(まだきちんと調べていません)、ひも状のコケはヒナトラノオゴケ Hylocomiopsis ovicarpa だと思います。 平凡社の図鑑では北海道~九州の山地に見られるとなっています。


 葉は湿るとやや広がり、乾くと茎や枝に接します。 二次茎の幅は乾いた時の葉を含めて1mm前後です。 枝先は細く尖っている場合が多いようです。

 茎も枝も、葉の間にはたくさんの毛葉が見えます。

 上の2枚は茎葉です。 深い縦じわがあって中肋が分かりにくくなっていますが、葉の3/4ほどの長さの、ときに短い枝を持つ1本の中肋があります。 葉先は細くなって伸びていますが、その長さはいろいろで、葉先の1細胞だけ透明になっています。 葉の基部にはたくさんの毛葉がついています。

 中肋は背面に少数の歯を持ち、先端も上の写真のように歯で終わっています。 葉身細胞は長楕円形です。

 上は茎葉背面の基部近くで、左上から右下に伸びているのが中肋です。 葉の基部近くの中肋背面には上の写真のような突起がしばしば観察されました。

 茎葉の葉身細胞はほとんど平滑ですが、わずかに上の写真の黄色の円で示したようなパピラが見られます。 また赤い円で示したように、背面上端に低いパピラを持つ細胞もあります。

 上は枝葉です。 上は深度合成していますので、突起が分かりにくくなっていますが・・・

 枝葉の葉身細胞は背面上端にパピラを持ち、なかには上の写真のように1細胞全体が歯になっているような細胞も散見されます。

 上は毛葉です。

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