長野県の麦草峠、麦草ヒュッテさんが管理中のマルダイゴケ Tetraplodon mnioides です。 月曜日で麦草ヒュッテが休業であったため、挨拶もせずに写真だけ撮らせていただきました。
本種は北半球の寒冷の地に広く分布します。 いわゆる糞ゴケで、腐って分解した動物の死骸や糞(ふん)の上に密に集まって群生し、胞子は訪れたハエなどの体に付着して運ばれます。
撮影は 2022.9.5.で、今年の胞子散布の時期は終盤に差し掛かっているようでしたが(上の写真の①)、来年の胞子散布に向けてでしょうか、新しい胞子体がたくさんできていました(上の写真の②)。
上は残っていた胞子散布中の蒴です。 胞子は昆虫の体にくっつきやすいように粘性があり、飛散してしまいません。 蒴歯は披針形で、1列 16本ですが、2本が対になっています。 頸部は胞子の入っていた壺の2倍ほどの幅があります。
上は最初の写真の②にあった若い蒴です。 この段階では壺(褐色)と頸部(緑色)の太さはほぼ同じです。 蓋は半球状で、帽は僧帽形です。
葉に注目すると、胞子体をつけている茎の葉は、葉先が急に細くなり、長く伸びていますが、胞子体をつけていない茎の葉先は、尖っていますが、長く伸びていません(上の写真)。
葉も調べたかったのですが、上に書いたように麦草ヒュッテさんが管理中のコケで、許可なく少しいただくわけにもいかず、以下は別の所で採集した胞子体をつけていない状態のものです。
上は濡れていて分かりにくくなっていますが、茎の下部は褐色の仮根で覆われています。 葉の長さは約2mmです。 平凡社では葉の長さは3mmくらいとなっていますが、生長途中の株であるためだと思います。
葉は全縁で、中肋は葉先に届いています。
◎ マルダイゴケはこちらにも載せています。
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