2023-05-25

ユガミミズゴケ

 写真はユガミミズゴケ Sphagnum subsecundum だと思います。 2023.5.12.に愛知県設楽町の標高800m付近で撮影しました。

 ミズゴケとしては小形~中型です。

 上は茎の先端近くの枝です。 平凡社では、枝は4~6本束になり、(そのうちの)2~3本が下垂枝となっていて、上の写真でも、2本が下垂枝、2本が開出枝です。
 平凡社には、和名は枝葉や(特に茎の先端の)枝が湾曲する特徴を捉えたものと書かれていて、たしかに枝は上の写真のように湾曲していますが、枝葉の湾曲はよく分かりませんでした。 下は上の写真の一部の拡大です。

 枝葉は強く凹んでいます。

 上の写真は枝葉(上)と茎葉(下)です。


 上の2枚は枝葉をメチレンブルーで染色し、背面から撮った写真です。 1枚目は葉の上部、2枚目は葉の下部ですが、いずれの写真でも(つまり葉全体で)透明細胞の接合面に沿って孔が連続的に配列し、その他の場所には孔はほとんど見られません。
 下は倍率を上げた写真です。

 孔の縁は肥厚しています。

 上は枝葉(の中央部)を腹面から撮っています。 腹面からだと孔は見えません。 葉緑細胞の幅が腹面で広くなっていて、孔は葉緑細胞に隠されて見えないのでしょう。 このことを確認するために、枝葉の横断面を作ってみました(下の写真)。

 上の写真には3枚の葉の横断面が写っています。 葉緑細胞は背面にも腹面にも出ていますが、わずかに腹面の方が広くなっています。

 上は茎の横断面(一部)で、皮層は1~2層です。

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