2023-08-15

ニブハタケナガゴケ


 写真はニブハタケナガゴケ Ectropothecium obtusulum(別名 キノクニイチイゴケ)だと思います。 兵庫県宝塚市の山際の溝と呼んでいいようなコンクリート三面張りの川の流水中にありました(2023年6月25日)。
 ところで、この和名はどういう意味なのでしょうか。 水中や湿地に育つコケですので、「ニブ(地名?)+畑+長いコケ」だとすると「畑」が納得できないなどと思っていたところ、矢作川研究所のHPにヒントとなるようなことが書かれていました。 そのヒントを元に私なりに考えると、この和名は「ニブハ(光沢が?にぶい葉)+タケナガ(人名)ゴケ」となりそうです。 しかし、蘚苔類の研究者らしいタケナガという人物を探し当てることはできませんでした。

 上は葉です。 下は上の葉の翼部の拡大です。

 平凡社の図鑑では、「翼部には大形で透明な薄壁の細胞が1個ある。」と書かれています。 たしかに葉身細胞より少し大きな細胞はあるのですが、特に目立つ大きな細胞が1個あるわけではありません。

 何枚かの葉の翼部を観察しましたが(上はそのうちの1枚)、やはり特に目立つ大きな細胞が1個あるわけではありません。

 葉を茎から外す時に大きな細胞が茎に残っている可能性も考え、茎についたままの葉の基部も観察してみました。 上は何枚も観察したうちの1枚で、いちばん平凡社の記載に近そうなものです。

 上は葉身細胞です。

◎ ニブハタケナガゴケはこちらこちらにも載せています。

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