2024-06-22

蒴をつけたマルバヒメクサリゴケ

 

 樹幹のマルバヒメクサリゴケ Myriocoleopsis minutissima が、胞子を飛散させた後の蒴をたくさんつけていました(2024.6.15. 京都府立植物園)。 上の写真の白いものが空になった蒴です。

 上は腹面から撮っています。 腹葉はありません。

 ゴミが多いのですが、上の右が花被と蒴です。 花被は葉の大きさに比べてかなりの大きさです。

 上は葉を腹面から撮っています。 腹片は背片の3/4以上の長さがあり、幅も背片の1/2倍以上あります。 第1歯は1細胞幅で2細胞長、第2歯は三角形で、1~3細胞からなっています。

 上は葉身細胞です。 トリゴンは無く、油体は微粒の集合です。

◎ マルバヒメクサリゴケはこちらにも載せています。

※ マルバヒメクサリゴケは「ミクロの世界のコケ図鑑」には載せられませんでした。 片桐・古木(2018)の「日本産タイ類・ツノゴケ類チェックリスト」にはクサリゴケ科の苔類は134種が載せられています。 クサリゴケ科には身近な所で見ることのできるコケも多いのですが、小さなコケが多く、顕微鏡が無いと同定が難しいこともあり、ページ数が限られているなかで、多くのページをクサリゴケ科に使うことはできません。
 そこで、多く見られる属については、属の特徴を書くことで、似た特徴のあるコケを見つけたら、同じ属のコケを他の本なりインターネットなりで調べることができるようにしました。 具体的には、P.115のヤマトヨウジョウゴケでヒメクサリゴケ属を説明し、P.168のカマハコミミゴケの所でクサリゴケ属を説明し、同じP.168のヤマトコミミゴケの所でヤマトクサリゴケを代表にしてシゲリゴケ属を説明しています。
 本種は現在ではヒメクサリゴケ属ではなくなりましたが、和名のとおりヒメクサリゴケ属に似た特徴があり、少し前まではヒメクサリゴケ属とされていたコケです。

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