2024-06-05

ヤマトチョウチンゴケ

 岩上にあったコケ群落、所々にジャゴケの仲間(オオジャゴケまたはウラベニジャゴケ)が混じっていておおよその大きさの見当がつくと思いますが、かなり大きなコケです。 調べた結果はヤマトチョウチンゴケ Plagiomnium japonicum だろうと思います。

 匍匐茎は長く、古い匍匐茎の途中から直立茎が立ち上がっています。 コツボゴケなどよりずっと大形で、上の写真の直立茎の長さは4cmほどですが、平凡社では「直立茎はふつう長さ5~10cm」となっていますから、これでもヤマトチョウチンゴケとしては小さい方なのでしょう。

 上は直立茎の頂近くについていた葉で、長さは9mm近くあります。 下は直立茎の葉のついている区画の中央にあった葉で、長さは約6mmです。

 葉は葉先から1/3ほどの所が最も幅広く、葉先から最も幅広い所までの葉縁には鋭い歯が並んでいます。

 上は直立茎の葉の先です。 上の写真でも中肋と葉先との関係は微妙で、強壮にみえる葉では中肋は葉先に届き、小形の葉では中肋は葉先に届いていませんでした。


 葉縁の歯は大形で、2~3細胞からなっています(上の2枚の写真)。 舷は2~3細胞列です。

 葉身細胞は大きく、30~60μmの長さがあります

(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)

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