2024-10-17

ノガリヤス

 写真はノガリヤス Calamagrostis arundinacea でしょう。 和名は「野のカリヤス」の意味だと言われています。 なお、カリヤスは栽培もされていて、黄色染料や薬用に用いられている植物ですが、本種とは属も異なります。
 本種は北海道~九州に分布する多年草です。 草丈は 0.5~1mで、和名のとおり産地の草原にも生育しますが、二次林など林の中でも、よく生育しています。

 小穂は紫色を帯びています。 小穂は2小花のうちの1つが退化し、2枚の包穎の中には1小花しかありません。 この小花の護穎のノギが長く突き出しています。 包穎を開いて小花を観察すると、小花の基部には基毛と呼ばれる長い毛があります。
 小穂が1小花からなり、小花の基部に長毛があれば、Calamagrostis(ノガリヤス属)です。 ノガリヤス属は日本には約20種が存在しますが、全国的にふつうに見られるのは本種の他にはヒメノガリヤスとヤマアワだけで、この2種ともノギは短く、小穂の外には伸び出しません。


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