上はウスバゼニゴケ(
Blasia pusilla )です。 本種の翼部は写真のように半円形の葉のように切れ込みます。
左上や左横に写っているのは
ヒメジャゴケです。 光の当たり具合もありますが、本種の翼部の薄さが感じられます。
本種はいつも湿った所に生えています。 採集して机の上で調べだすと、どんどん乾燥して縮れてきました。
上は腹面から透過光で撮ったものです。 葉状体は薄く、濃い緑色の小さな楕円形の部分はラン藻(ネンジュモ)が共生している場所です。
上は腹面を反射光で撮っています。 ラン藻が共生しているところは少し膨れています。 あちこちに鋸歯のある膜状のものがくっついています。 これは、盾条で鋸歯のある腹鱗片でしょう。
ちなみに、本種の無性芽は2種類あって、1つは葉状体の背面で直接つくられますが、もう一つは徳利型の無性芽器内で作られ(
こちら)、球形です。 この無性芽器は、時期的なものか、今回は見られませんでした。
上は左がラン藻が共生している部分で、右が無性芽?です(顕微鏡の倍率は 10×10 )。 ピントは無性芽に合わせています。
上はラン藻が共生している部分の拡大です。 このようなラン藻との共生関係をもつ苔類は他には無く、特異な生態として知られています。
◎ こちらにはこのラン藻が共生している部分の横断面を載せています。
上は表皮細胞を撮ったものです(顕微鏡の倍率は 40×10 )。 細胞壁は薄く、油体はありません。
(2015.8.23. 金剛山)