2018-10-07

ウスバゼニゴケ① 無性芽

 ウスバゼニゴケ Blasia pusilla は前にも載せていますが(こちら)、今回はもう少し詳しく観察しましたので、2回に分けて載せることにします。


 ウスバゼニゴケは、その名のとおり葉状体が薄く、植物体が小さいうちは土に張り付いて黒っぽく、ほとんど目立ちませんが・・・


 大きくなった植物体は立体的で、なかなかの存在感です。 上の写真は斜め上から見ていますので、葉状体の背面のあちこちに小さな棒状のものが立っています。 これは1枚目の写真でも注意して見れば存在しますが、植物体が小さなうちは数も少なく、上からだと肉眼的には全く分かりません。
 下はこれを大きく横から撮ったものです。


 棒状のものの基部は膨れていて、細長い徳利型になっています。 これが無性芽器で、高さ(長さ)は2~3mmです。 右下の“徳利”の口は開いていますが、左や右上の“徳利”の口からは無性芽が出てきはじめています。
 上の写真は葉状体の先から撮っていますが、横から見ると、徳利型の無性芽器は斜め上方に伸びた葉状体の先の方についています。
 ところで、ウスバゼニゴケは2種類の無性芽を作ります。 1つは徳利型の無性芽器内で作られるもので、もう1つは葉状体背面にできるトゲ状の突起の多い星型の無性芽です。 上の写真では、徳利型の無性芽器のすぐ近くに、星形の無性芽がかたまって存在しています。


 上は、徳利型の無性芽器と、その基部近くの星形の無性芽(詳しくはこちら)をさらに大きく撮ったものです。 上の“徳利”の口からは何も出ていませんが・・・


 上の“徳利”の口からはトゲ状の突起の無い無性芽が溢れ出ています。


 徳利型無性芽器の断面を作ってみました(上の写真)。 中は空洞になっていて、その中にたくさんの楕円体の無性芽が入っていました。 上の写真の色濃く写っているものが、断面作成時に散らばってしまった無性芽です。
 この空洞の下面を大きく撮ったのが下の写真ですが・・・


 徳利型無性芽器内部の空洞の下面からは、次々と無性芽が作られているようです。

 明日はウスバゼニゴケの葉状体を観察した結果を書く予定です。

(2018.10.3. 金剛山)

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