シノブゴケの仲間も何種類かあるのですが、その中で、アソシノブゴケ(=トヤマシノブゴケ)
Thuidium kanedae は、大型でよく目立つ普通種です。 前に
シノブゴケとして載せていたのも、たぶんこの種でしょう。 そこでも書きましたが、「シノブ」の名前は、吊りシノブ(シノブ玉)などで知られているシダ植物のシノブに似ているところからでしょう。 ただしシダ植物のシノブの1枚の葉に似ているのは、たくさんの枝を出し、そこにたくさんの小さい葉をビッシリとつけた茎です。
上の写真で、左下から右上に伸びる茎から左右に枝が出て、さらにその枝からも枝が出ています。 茎につく葉(
茎葉)と枝につく葉(
枝葉)とはずいぶん大きさが違います。 茎葉はほぼ三角形で、葉先は長く糸状に伸び、先端は透明尖となっています。 中肋は太く、葉先近くにまで達しています。 そしてこれらの葉の間を埋めるように、茎には
毛葉がびっしりとついています。
上は茎葉の葉身細胞です。 厚壁で、先が2~4に分かれた大きなパピラがあります。
上2枚は毛葉を拡大したものです。 毛葉を構成する細胞の中央付近にはパピラが見られます。
蒴は曲がっています。 蒴歯は内外2列で内蒴歯・外蒴歯とも16本です。
(2015.10.30. 堺自然ふれあいの森)
◎ アソシノブゴケ(トヤマシノブゴケ)は
こちらにも載せています。