2018-12-07
トヤマシノブゴケ(アソシノブゴケ)
上はトヤマシノブゴケ(=アソシノブゴケ) Thuidium kanedae です。 なかなか美しいコケですが、普通種はどうしてもカメラを向けないでスルーしてしまいます。 撮り直してみると、新しい発見も出てくるのですが・・・。
上は1枚目の写真の一部を拡大したものです。 シノブゴケ属( Thuidium )の特徴として、茎につく葉(茎葉)と枝につく葉(枝葉)は形と大きさが違う場合が多いことと、毛葉が多いことが挙げられます。
上は茎葉です。 葉を剥がす時に、たくさんの毛葉も混じってしまいました。
本種の茎葉は下部に深い縦じわがあり、先端は長い糸状の透明尖になっています。 中肋は葉先近くに達しています。
上は茎葉の葉身細胞です。 葉身細胞は不規則な矩形~六角形、厚壁で、先が2~4に分かれたパピラがあります。 真上から細胞壁にピントを合わせて見るとパピラの存在は分かりませんが、茎葉は波打っているので、場所を選ぶと葉身細胞をいろいろな角度や高さで見る事ができ、パピラの存在もはっきりと確認できます。
上は毛葉です(深度合成しています)。
蒴を深度合成してみました(上の写真)。 外蒴歯と内蒴歯は、それぞれ16本です。
上は蒴柄の基部を撮ったものです。 藻が絡んで分かりにくくなっていますが、蒴柄の基部は袴状のものに取り囲まれ、さらにその外側を細長い葉状のものに取り囲まれています。 前者も後者も雌苞葉で、前者が内雌苞葉なのだろうと思います。 この内雌苞葉を顕微鏡で観察すると・・・
内雌苞葉と思われるものの上部の縁には多細胞の毛がたくさん見られました。
(2018.11.29. 堺自然ふれあいの森)
◎ トヤマシノブゴケ(アソシノブゴケ)はこちらにも載せています。
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