2017-09-20
シゲリゴケ
マメヅタの葉についているのはシゲリゴケ Cheilolejeunea imbricata だと思います。
※ シゲリゴケの群落の写真はこちらに載せています。
上は1枚目の写真のシゲリゴケをマメヅタから剥がし、腹面(マメヅタにくっついていた側)から撮ったもので、背片、腹片、腹葉が確認できます。 背片は卵形です。 腹片は背片のほぼ1/2の長さで、矩形です。 ゴミの少ない新しく伸びた所を撮っていますので、下に書く腹片の歯牙は明瞭にはなっていません。
上の2枚の写真は腹片です。 腹片には歯牙がみられます。
上は歯牙の拡大です。 平凡社では、本種の歯牙は1細胞幅で2~4細胞長となっています。 今回観察したものの多くは上の写真のような葉で、どこからが歯牙なのかはっきりせず、見方によってはシゲリゴケの歯牙としては大きすぎるのですが・・・。
上は腹葉です。 腹葉は幅が茎径の2~2.5倍で、側縁は全縁、1/3~1/2まで狭く2裂しています。
仮根は腹葉の付け根付近から出ています。
シゲリコケの茎の上部の(若い)葉の腹片の基部には単細胞のスチルスが見られます(上の写真の赤い円で囲ったところ)。 スチルス(stylus)は「柱状細胞」とも呼ばれ、上の写真のようにある種の苔類の腹片の基部に見られる糸状のものです。
シゲリゴケのスチルスは、通常は腹葉に隠される位置にあり、腹葉を取り去るなどの工夫をしないと観察できないのですが、茎が傾いて少し斜め横から観察できるプレパラートがたまたまできて、腹葉に邪魔されずに観察する事ができました。
上は葉身細胞です。 大型でブドウ房状の油体が各細胞に1~2個見られます。
(2017.9.13. 京都市 西芳寺川)
◎ シゲリゴケの腹面を反射光で撮った写真(深度合成しています)はこちらに載せています。
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