2017-12-05

ウロコゼニゴケ


 上はウロコゼニゴケ Fossombronia foveolata var. cristula です。 球形の蒴があちこち顔をのぞかせています。


 1枚目の写真を見るかぎり、蒴はまだ青く未熟なものばかりのようですが、群落の断面を作ってみると、上から見える層の1段下に黒くなった蒴がたくさんありました。 黒くなっている蒴を作らなかった植物体がさらに上に伸び、そこで蒴を作っているということでしょうか。
 大変密集した群落で、下部には光が当たらず、長く匍匐している状態の茎は見当たりませんでした。


 黒くなっていた蒴を破って胞子と弾糸を観察しました(上の写真)。 弾糸の肥厚は、上の写真では環状ですが、1本螺旋のものもありました。
 胞子はほぼ球形で厚みがありますから、深度合成してみたのが下です。


 胞子の遠心面は網目状になっています。


 上は葉身細胞です。 薄壁でトリゴンは無く、油体は各細胞に 10~25個ほどあり、微粒の集合です。

(2017.12.1. 堺市南区 鉢ヶ峯霊園)

◎ 1枚目の写真では、まだ青い蒴がたくさん見えていますが、これらのその後の変化はこちらに載せています。 また胞子体が観察できる以前の、9月に観察した造卵器や造精器などはこちらに載せています。


0 件のコメント:

コメントを投稿