2018-03-26
オカムラケビラゴケ
上の写真の樹幹に張り付いているコケは、主にはオカムラケビラゴケ Radula okamurana と教えていただいたのですが、ヒメケビラゴケなどとの違いがよく分かりません。と書いたところ、次のように教えていただきました。
大きさは オカムラ > ヒメ、下辺の先が尖ったり突出することがある頻度は オカムラ > ヒメ、葉が欠落する傾向は オカムラ < ヒメ とのことです。
上の写真にはシゲリゴケなども少し混じっています。
上の写真で、緑の濃い方がオカムラケビラゴケで、右下の明るい緑のものはシゲリゴケです。 写真のほぼ中央の少し上にはオカムラケビラゴケの花被が見えます。
オカムラケビラゴケの特徴は、平凡社の図鑑の検索表によると、茎の先端がひも状になって立ち上がることがあり、このひも状の枝は背片がなくなり、腹片は茎に圧着するとのことですが、そのような枝はみつけられませんでした。
◎ 茎の先がひも状になった本種は【こちら】に載せています。
背片は円頭で、腹片の長さは背片の2/3以下です。 花被は茎に頂生しています。 下はその拡大です。
①は葉が融合し変形した花被、②は造卵器の壁の細胞が発達したカリプトラ、③が蒴だろうと思います。
上は花被を破り、雌花序の基部を見たものです。 左右に見えるのは発達しなかった造卵器の頸でしょう。
上は茎にピントを合わせています。 ケビラゴケ科には腹葉はありません。 平凡社の図鑑ではオカムラケビラゴケの腹片の基部は茎をわずかに覆い、ヒメケビラゴケの腹片の基部は茎を覆わないとあるのですが、この違いもよく分かりません。
上は葉身細胞で、細胞壁は薄く、トリゴンが見られます。 各細胞に1個の大きな油体があるのはケビラゴケ属の特徴です。 ピントを少しずらして細胞の表面を見ると・・・
細胞の表面はベルカ状です。
(2018.3.14. 高槻市 中畑)
備忘録として、大きさオカムラ>ヒメ、下辺の先が尖る突出することがあるオカムラ>ヒメ、葉が欠落するオカムラ<よく欠落するヒメ。
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