2018-06-17

オオクラマゴケモドキ


 岩上を垂れ下がる写真のコケは、少しコハネゴケが混じっていますが、オオクラマゴケモドキ Porella grandiloba でしょう。 背景となっている灰緑色のものは地衣類です。


 背片の長さは1~1.5mmです。


 上は腹面から撮ったものです(深度合成しています)。 背片は舌形で、全縁で円頭です。 腹片は長舌形で、長さは幅の3倍ほどあります。 腹葉は舌形で、幅は茎径の1~1.2倍、長さは幅の約2倍です。 腹片も腹葉もほぼ全縁です。
 下も同様の深度合成した写真ですが・・・


 上の写真のほぼ中央から左右に短い枝が出ていて、その枝につく腹片の葉縁には歯が見られます。 よく見ると、背片にも少し歯がありそうです。 もしかしたら、この枝には生殖器(造卵器または造精器)が作られ、そのような場所では、葉の形態が他の場所とは少し異なるのかもしれません。


 上は葉身細胞です。

(2018.6.13. 高槻市 川久保渓谷)

こちらには造卵器をつけたオオクラマゴケモドキを、こちらにはその造卵器中の卵細胞が受精して胞子体となった姿を載せています。


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