弦状に長く伸びたコケ、もう少し拡大すると・・・
ツルチョウチンゴケ属のようです。
湿らせて葉の巻縮を解いてやると、葉先は鋭頭です。 これで写真のコケは、ヤマトチョウチンゴケ、ツボゴケ、コツボゴケのいずれかに絞られました。 以下、葉の細部を調べると・・・
中肋は葉先に届いています。
葉縁の歯は単細胞です。 これらから候補はツボゴケかコツボゴケに絞られました。 しかしこの両者は非常によく似ています。 ツボゴケは雌雄同株でコツボゴケは雌雄異株ですが、生殖に関する部分が見あたらない今回は、葉身細胞を見るしかありません。
上は葉身細胞で、大きさにかなりのばらつきがあり、面積にして大きい細胞は小さな細胞の4倍ほどあります。
平凡社の図鑑によると、葉身細胞の長さは、コツボゴケは 20μm以下(ときに25μm)、ツボゴケは
15~30(~35)μmとなっています。 また、コツボゴケの葉身細胞は、大きさがより均一ということで、当初はツボゴケだろうと思っていました。
平凡社の図鑑では、ツボゴケは北海道と本州、コツボゴケは北海道~琉球となっていて、ツボゴケの方が涼しい所に分布することが分かりますが、この記載だけでは両種とも関西に分布しても不思議は無いのですが、ところが、ツボゴケは関西には分布しないと聞きました。
このことから、写真のコケもコツボゴケなのでしょう。
(2018.7.19. 滋賀県 醒井渓谷)
◎
こちらに載せているのは、時期的なものなのか、匍匐茎が目立たない状態の上と同種のコケだと思います。
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