2018-05-06

このコケは?



 コナラの木の下で、枯れ落ちたコナラの雄花序などが混じっていますが、写真のコケは・・・。


 直立茎の中ほど~上部からからは匍匐茎が、基部からは新しい直立茎が伸びています。


 葉は上半のみに鋭い歯が並んでいて、中肋は葉先に届いています。


 上は葉先部分の顕微鏡写真です。 舷は明瞭で、歯は単細胞です。
 以上の観察結果から、コツボゴケまたはツボゴケのようです。


 葉身細胞の大きさにはばらつきがあり、上の写真でも、15μmほどのものから、30μmをはるかに超えるものまで見られます。
 平凡社の図鑑によると、葉身細胞の長さは、コツボゴケは 20μm以下(ときに25μm)、ツボゴケは 15~30(~35)μmとなっています。 ちなみにもう1種、葉形の似たヤマトチョウチンゴケの細胞は30~50(~70)μmとなっています。 また、コツボゴケの葉身細胞は、大きさがより均一ということで、当初はツボゴケだろうと思っていました。 もっとはっきりした違いは、コツボゴケが雌雄異株であるのに対し、ツボゴケは雌雄同株なのですが、これは確認できませんでした。
 ところが、ツボゴケは関西には分布しないと聞きました。 平凡社の図鑑では、ツボゴケは北海道と本州、コツボゴケは北海道~琉球となっていて、ツボゴケの方が涼しい所に分布することが分かります。

 結果としては、細胞の大きさなどは平凡社の記載とはずれますが、コツボゴケのようです。

(2018.4.27. 堺自然ふれあいの森)

こちらでも、匍匐茎のよく発達した上と似たコケを観察しています。


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