岩に垂れ下がる小さなコケ、イトコミミゴケ
Lejeunea parva のようです。 枝分かれは多くありません。
背片は三角形に近い形で鈍頭、ほとんど重なっていません。 平面的な写真になってしまいましたが、湿った状態では背片が背方に偏向していることは葉の向きで分かります。
腹片は背片の1/2ほどの長さです。 上の写真では腹葉は暗い部分と重なってほとんど分からなくなっています。
腹葉は長さも幅も茎径の2倍ほどで、2/5ほどV字形に2裂しています。 上の写真では腹片の歯牙の様子はよく分からないので、そのあたりを拡大して撮影すると・・・
上は軽く深度合成して歯牙周辺をはっきりさせたものです。(深度合成で背後まではっきりさせると、よけいに分からなくなります。) しかしこれでもまだ分かりにくいので、一部細胞のアウトラインを加筆したのが下です。
歯牙は1細胞からなっています。 長楕円形の歯牙細胞に続く赤い線で示した細胞も歯牙を形成している細胞かとも思ったのですが、これは画面奥に続く腹片の縁を形成する細胞の1つのようです。
歯牙細胞から始まりキール側に向かう腹片の縁は「C」の字形のカーブを描いています。 また、キール先端部の葉の細胞は大きく膨らんでいます。
第2歯牙もあるはずですが、上記の第1歯牙の後ろに位置することになり、このような方向からの撮影では見えません。
上は葉身細胞です。 油体は各細胞に4~10個、楕円形~紡錘形で、微粒の集合です。
(2019.6.12. 神戸市北区 道場)
◎ イトコミミゴケは
こちらにも載せています。
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