2019-08-03
シゲリクラマゴケモドキ
上はシゲリクラマゴケモドキ Porella densifolia var. fallax です。 水の滴る岩の上に育っていました。 背片は楕円状三角形で、葉先には1~3個の歯が見られます。
上は腹面からの深度合成です。 舌形の腹片は密に重なっています。 腹葉は、どちらも舌形で、よく似ています。 茎の幅は、葉を含めて3mmほどです。
平凡社の図鑑のクラマゴケモドキ属の検索表は、背片と腹片が腹片の幅の1/5以上で合着するか、背片と腹片の接する長さがもっと短いかから始まっています。 上は腹片の基部の様子を見るために、一部の腹葉と腹片を取り除いて撮った写真です。 腹片の基部は茎に寄っていて、背片とは短く接しているようです。 また、腹片の基部にはひだが見られますが、これもシゲリクラマゴケモドキの特徴です。
上は横から撮ったもので、下が背面、上が腹面です。 少し乾いてきて、腹葉が反り始めています。
背片と腹片との隙間の奥に茎が見えています。 このことも背片と腹片が短くしか接していない傍証になるでしょう。
上は、少し破れていますが、腹片です。 腹片と背片がつながった状態で茎から外そうとしたのですが、できませんでした。 これも背片と腹片が短くしか接していないためでしょう。
上は、ゴミが多いですが、腹葉です。 腹片と同じ拡大率で撮っています。
シゲリクラマゴケモドキは、大阪付近ではそんなに珍しいコケではありませんが、暖温帯のコケで、平凡社の図鑑では、福島県以西の分布となっています。
(2019.7.8. 和歌山県側の岩湧山麓)
◎ シゲリクラマゴケモドキはこちらやこちらにも載せています。
0 件のコメント:
コメントを投稿