写真はマルバツガゴケ
Distichophyllum obtusifolium です。 水の滴る岩上で育っていました。 分布はこれまで九州以南とされていましたが、四国でも見つかっています(立石ら,2017)。
上の写真では不明ですが、蒴は茎の途中についていることを確認しています。
葉は扁平につき、密に重なりあっています。 長さは4mm前後で、
ツガゴケよりひとまわり大きな葉です。
葉は倒卵形で、円頭~広い鈍頭です。 ちなみに、種小名の
obtusifolium は「鈍形の葉の」という意味です。 中肋は長く、葉縁には全周に舷が見られます。
軟らかい葉で、上の写真では葉のあちこちが破れてしまいました。
上は葉先付近の拡大です。
上は蒴です。 平凡社の図鑑では、この属全体の蒴柄は平滑となっていますが、蒴柄全体にパピラがありました。
蒴の下部には気孔があります(上の写真)。
上の写真は蒴の内側から撮っています。 内蒴歯はまっすぐ伸びていますが、外蒴歯は内側に曲がっています。 蒴歯の長さは、両者でほぼ同じです。 外蒴歯には密な横条がありますが・・・
外蒴歯の先にピントを合わせて、他をボケさせると、外蒴歯の先にはパピラがあることが分かります。
(2020.3.3. 屋久島)
【参考文献】
立石幸敏・木口博史・西村直樹(2017).轟九十九滝(徳島県海陽町)の蘚類.Naturalistae21.
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