2020-05-01

シロイチイゴケ


 上の写真、苔類はウロコゴケですが、蘚類は今回取り上げるシロイチイゴケ Isopterygium albescens です。 分布は四国~琉球列島と小笠原です。


 蒴柄は長く、蒴は長卵形で傾いてついています。 帽は僧帽形です。 茎は這い、密にやや羽状に分枝しています。


 葉は丸くついて、扁平にはなっていません。 葉先は長く伸びていますが、葉の長さは1mm以下です。
 和名に「白」とついていて、種小名も「白色を帯びている」という意味です。 しかし上の写真では、たしかに濃い緑ではありませんが、濡れていることもあり、白色を帯びているとまでは言えないでしょう。 平凡社の図鑑では「全体が白緑色になることがある。」(太字に変更は筆者)と書かれています。


 葉は卵形の葉身部からやや急に細くなっています。 上の写真では葉先にピントが合っておらず、よく分かりませんが、葉先は尖っています。 葉縁の上半には細かい歯があります。


 上は葉の基部です。 二叉している中肋がありますが不明瞭です。 葉身細胞は長楕円形~線形で、翼部はあまり発達していません。


 上は葉腋のすぐ上にある、将来枝になるであろう小さな膨らみの周囲にある偽毛葉で、下は枝の基部にある偽毛葉です。


 偽毛葉は糸状で、1細胞列です。


 上は茎の断面です。 中心柱は無く、茎の表皮細胞は小さく厚壁です。


 上は蒴歯を蒴の内側から見ています。 蒴歯は外蒴歯と内蒴歯が揃っています。

(2020.3.5. 屋久島)

◎ シロイチイゴケはこちらにも載せています。


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