2021-04-04

シロイチイゴケ

 

 斜面に広がる写真のコケ、以下の観察結果から、シロイチイゴケ Isopterygium albescens だと思います。 長い蒴柄があり、蒴は傾き、蓋には長い嘴があります。 帽は僧帽形です。

 小さい葉を密につけています。 葉は丸くつき、扁平にはなっていません。 枝の幅は葉を含めて約1mmです。
 上の写真では混みすぎていて枝分かれの様子が分からないので・・・

 茎の1本を取り出してみました(上の写真)。 茎は這い、密にやや羽状に分枝しています。
 蒴柄の長さは、枝の幅を1mmとして写真から計算すると、上の場合は 1.5cmほどになります。

 上は枝葉です。 葉身部は卵形で凹み、やや急に細く尖っています。 短く二叉した中肋があるのですが、明瞭ではありません。


 枝葉の葉縁上半には細かい歯があります(上の写真)。

 上は翼部です。 翼部の細胞は方形~楕円形ですが、明瞭には分化していません。

 葉身細胞の長さは 60~75μmでした。(上の写真はグレースケールに変換してあります。)

 偽毛葉は糸状で、1細胞列です(上の写真)。

 仮根は束生し、表面は平滑です(上の写真)。

 上は茎の断面です。 茎の表皮細胞は小さく厚壁です。

(2021.3.3. 宮崎県日南市)

◎ シロイチイゴケの蒴歯の様子などはこちらに載せています。

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