スギの枯枝に地衣類と一緒についていた上の写真のコケ、水で湿らせ、そっと剥がしたのが下です。
湿った状態では葉が立ちあがっています。 5稜の花被もついていました(赤い矢印)。 以下の観察の結果はヤマトヨウジョウゴケ
Cololejeunea japonica のようです。
上は腹面から見ています。 背片についている円いものは無性芽です。 腹片は変化に富んでいますが(
こちらや
こちら)、下は赤い四角で囲った部分の腹片です。
腹片の第1歯は数細胞幅で大きく、第2歯は小さいものです。 透明細胞は第1歯の先端の細胞のキールと反対側の基部(上の写真の場合)もしくは先端の細胞の先にあります。
なお、
Cololejeunea(ヒメクサリゴケ属)には腹葉はありません。
上は葉を1枚剥がし、背面から撮っています。 背片は卵形、全縁で円頭です。 この背片にもたくさんの無性芽がついています。
無性芽の厚さはどれくらいなのか、無性芽のついている葉を横から撮ってみました(上の写真)。
上は葉身細胞で、トリゴンは不明瞭です。 油体は楕円体で、小粒の集合です。
ところで、最初に書いたように、上のコケは乾いたスギの枯枝についていました。 ところが、水を加えてプレパラートにして観察していると、下のようなクマムシもワムシも動き出しました。 どれくらいの期間乾燥に耐えていたのでしょうか。
上は無性芽の横にいたクマムシ(真上から見ています)の画像に、近くにいたワムシの画像(左上)を貼り付けたものです。
◎ ヤマトヨウジョウゴケは
こちらにも載せています。
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