このところヤマトケビラゴケ、ヤマトコミミゴケと、上から(=背面から)見ると丸い葉が重なり合っていて、よく似ているコケが続いていますが、本日もそのようなコケです。 じつはこの3種は数mも離れていない所で育っていました。
上はヤマトヨウジョウゴケ Cololejeunea japonica です。 渓流に覆いかぶさるように枝を伸ばしていたシロダモの葉の表についていました。
重なり合っている葉(背片)は卵形で、長さは 0.5mmほどです。(上の写真の目盛の数字の単位はmmです。)
上は腹面から見た顕微鏡写真です。 ヤマトヨウジョウゴケの特徴の1つとして、腹片の形がポケット状~舌型と多型で、同じ植物体上に混在することが挙げられます。 しかし植物体によって多い型には偏りがあるようです。 前に載せたヤマトヨウジョウゴケ(こちら)で多く見られた腹片とよく似た形のものは、上の写真では下中央の1つだけです。
上の写真の右上に丸いものが3個見えます。 下はその拡大です。
これは気泡ではなさそうです。 雄苞葉に包まれた造精器ではないかと思っているのですが、どうでしょうか。
上から3枚目の写真にも写っていますが、今回はたくさんの無性芽を観察することができました。 無性芽は円盤状で、葉の腹面にも背面にもついているようです。
上は背片の葉身細胞です。 油体は円形のものと紡錘形のものが混在していますが、どちらも微粒の集合のようです。
(2016.4.13. 池田市五月山)