2020-11-25

チャミズゴケ

 

 今回も北海道から送っていただいたコケで、チャミズゴケ Sphagnum fuscum だろうと思います。 上は 2020.11.15.の撮影です。

 ミズゴケの仲間としては中形です。

 上は植物体の上部で、開出枝と下垂枝が区別できます。 乾いた状態で撮っていますので、茎の表皮など透明な細胞は空気を含んで反射し、全体が白っぽくなっています。 開出枝の枝葉はやや5列に配列しています。

 上は枝葉です。 枝葉の葉先は狭く、先端に3~4歯があります。

 上は枝葉の中央部を背面から撮っています。 葉緑細胞ははっきりせず、透明細胞には孔があります。

 上は枝葉の中央部の少し葉先寄りを腹面から撮った写真で、右が葉先の方向です。 葉先に近い透明細胞には孔が見られますが、枝葉の中央部(写真の左側)の透明細胞には孔がありません。 葉緑細胞ははっきりしています。
 この枝葉の背面と腹面の見え方の違いを、枝葉の横断面を作って調べてみると・・・

 上は枝葉の断面です。 枝葉が薄く柔らかく、うまく切れなかったので、比較的よく分かる所を2枚連結しました。 葉緑細胞(時期的に緑色はかなり失われています)は台形~三角形で、腹面(写真の上側)に広く開いています。 透明細胞の背面側には、しばしば小さな“部屋”がついていて、表面から見ると、これが孔に見えるのでしょう。

 上の2枚は茎葉で、2枚目は1枚目の赤い四角で囲った部分の拡大です。 茎葉の長さは差異が少ないので、1枚目にはスケールを入れてみました。
 茎葉は広舌形で、先端はささくれています。 舷は細く葉先近くにまで伸び、基部では幅広くなって、茎葉の幅の2/3ほどを占めています。

 上は茎の横断面で、表皮は3~4層です。

 上は表皮です。 表皮細胞の表面に孔はありません。

 上は枝葉を取り去った枝で、写真の中央下や左下にレトルト細胞が写っています。

◎ チャミズゴケはこちらにも載せています。


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