上の写真の黄色い楕円で囲んだコケ、このブログの 2021.2.14.に載せたアナナシツノゴケの葉状体の間で育っていました。 探してみると他の葉状体の間にもあって・・・
みつかったものを並べたのが上です。 両端の株は胞子体をつけています。 葉状体の下部は褐色を帯びています。 中肋はみあたりません。
2~3回羽状に分枝しています。
上の2枚は、1枚目は上から、2枚目は葉状体の断面を撮った顕微鏡写真です。 枝の単細胞層は1~3細胞幅で、表皮細胞は内部細胞の 1/5~1/3大、横断面で背面・腹面とも凸面状、大きなトリゴンはみあたりません。
1枚目の写真には油体が写っていますが、この油体は消失し易いようで、2枚目の写真では、切片を作りプレパラートにする過程で消えてしまっています。 この油体が表皮細胞にあるのか、内部細胞にあるのかは同定上の1つのポイントになるので、少し厚めに切片を作ってみたのが下です。
上の切片でも油体は少なくなっていますが、表皮細胞ではなく内部細胞にあるようです。
油体は楕円体で大きく、微粒の集合~ブドウ房状です。
上は胞子体です。 スジゴケ科の特徴として、包膜は退化し、カリプトラが発達しています。
以上の観察結果から、写真のコケはナガサキテングサゴケ Riccardia nagasakiensis だと思います。
(2021.2.11. 箕面国定公園)
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