写真はナガサキテングサゴケ Riccardia nagasakiensis でしょう。 水の滴る斜面に育っていました。
群落をほぐしてみると、上の2枚の写真のように、たくさんの胞子体が隠れていました。 葉状体の基部は褐色を帯びています。
雌枝の縁は鱗片状で、先は鋸歯状になっています(上の写真の赤い楕円で囲った部分)。
上は透過光で観察しています。 とても小さな粒子状のものは葉緑体で、大きな楕円状のものは油体です。 油体は外縁にある小さい細胞には存在していません。
油体は楕円体で、微粒の集合~ブドウ房状です。
上の写真の上段は葉状体の比較的幅の狭い枝の断面、下段は比較的幅の広い所の断面です。 葉状体は背面と腹面の両面が凸面状で、表皮細胞より明らかに大きな内部細胞があります。
枝の単細胞層は1~3細胞幅で、油体は表皮細胞には無く、内部細胞にあります(上の2枚の写真)。 葉状体の断面で多くの内部細胞に油体が見られないのは、内部細胞が大きいため、うまく油体の見える面で切断できなかった、切断時に油体が流失した、などの理由が考えられます。
(2025.2.18. 箕面公園)
◎ ナガサキテングサゴケはこちらにも載せています。
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