2021-07-28

オオミハタケゴケ

 写真はオオミハタケゴケ Riccia beyrichiana です。 京都府精華町のけいはんな記念公園で 2021.7.23.に撮影しました。
 和名は実(み)つまり胞子が大きいところからで、胞子の直径は約 75~105μmもあります(こちら)。 上の写真の左上に胞子が散布された跡と思われる穴が見えますが、この穴は写真を拡大して気づいたもので、現地では確認できず、この部分の採集もしていませんので、今回は胞子の写真はありません。

 平凡社の図鑑に載せられているウキゴケ属(Riccia)は8種ですが、その後、分類学的な再検討が進み、2018年現在では国内で 18種が確認されています(古木:新・コケ百選.蘚苔類研究12(4))。 本種も平凡社の図鑑には載せられていませんが、人の生活にとても近い所に分布しているようです。

 最初の写真は乾いた状態で、縁がめくれあがっていますが、上は湿った状態です(最初の写真と倍率は異なります)。 葉状体の縁に白い毛が見えます。

 葉状体の幅は2~3mmほどです。

 上は葉状体の断面(グレースケール)です。 溝は幅広く、背面側部は丘のように盛り上がっています。
 下は上の赤い四角で囲った部分です。

 葉状体の縁の毛は多列についています。 このように多列の毛が見られるウキゴケ属は、本種の他には稀にヒメハタケゴケで見られるのみです。

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