2021-12-06

ハタケゴケ

 上はハタケゴケ Riccia bifruca でしょう。 東京都心の日比谷公園で 2021.11.30.に撮影しました。

 葉状体の幅は1~2mmです。 あちこちに胞子体が見えています(分かり易い所を赤い円で囲みました)。 この胞子体は葉状体の背面に盛り上がっているように見えます。
 上の写真では葉状体上にも砂粒などが多く残っているので、洗ってみると・・・

 洗ったために胞子が流されてしまった所もありますが、その部分がきれいに孔になっていて、孔の周囲もしっかりしていますし、孔の底つまり葉状体の腹面もきっちり残っています。 これは胞子体の背面側だけが崩れて胞子が散布されることを示しています。 これらのことも本種の特徴の1つです。
 洗って全体がよく見えるようになると、葉状体基部を中心に赤紫になっているのがわかります。 寒くなると赤紫色に色づくのも本種の特徴の1つです。

 上は葉状体の横断面です。 葉状体内部は、葉緑体の多い廃部と、葉緑体の少ない腹部に分かれています。 葉状体内部に気室はありません。 内部右側には若い胞子体が見えます。 本種の溝の左右(背面側部と呼ばれています)は、丘のように盛り上がっています。

 葉状体の背面に毛などは無く滑らかです(上の写真)。

 上は胞子です。 遠心面の網目は径上で7~8個で、求心面の網目は不完全です。
 (遠心面・求心面についてはこちらで解説しています。)

◎ ハタケゴケはこちらにも載せています。

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