2022-05-19

ウロコミズゴケ

 

 北海道の湿原に育つウロコミズゴケ Sphagnum squarrosum(上の写真)を観察する機会を得ました。 本種は前に北八ヶ岳産のものを載せていますが(こちら)、大形で枝葉の先端が背方に反り返るなど比較的分かり易い特徴を持っているため、何度か観察はしているのですが、これまでブログの記事にまとめることをしておらず、今回が2回目の掲載になります。
 今回は前回あまり詳しく観察しなかった枝葉を中心に観察しました。


 上の2枚は、カバーグラスで押されて扁平になっていますが、枝葉を横と腹面から撮った写真です。 枝葉は広楕円形の基部から急に細くなり、細くなった所が強く反り返ります。

 上は枝葉の中央部(細くなるあたり)を背面から撮っています。 下はほぼ同じ所を腹面から撮っています。 ピントはいずれも透明細胞の線状肥厚に合わせています。

 背面からの写真に比較して、腹面から撮った写真では、はっきり写っている孔が多くなります。 これは背面の孔に比較して腹面の孔の縁が厚いからでしょう。

 上は枝葉腹面ほぼ中央の拡大で、孔の縁にピントを合わせていますので、葉緑細胞はボケています。 孔は縁が肥厚したリング孔であることが分かります。


 上は枝葉の断面とその一部の拡大です。 葉緑細胞は背腹両面に開いています。

 上は枝の表皮です。 レトルト細胞は確認できませんでした。

 上は、破れてしまいましたが、茎葉です。 舷は基部の縁に少しあるだけです。

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