2022-05-18

ケチョウチンゴケ(雄株)

 花のような雄花盤(上の写真)、このコケは・・・

 雄花盤の径は 11mmほどです。

 雄花盤をつけた茎にはほとんど普通葉がついていません。 この茎の基部は古い茎につながっていて、この古い茎の葉を見ると・・・

 葉の腹面にたくさんの仮根がついています。 ケチョウチンゴケ Rhizomnium tuomikoskii のようですが、確実性を高めるために、もう少し観察を続けます。


 わずかですが、上のような雄花盤をつけていない茎もあったので、この葉を調べます。

 葉は幅広い倒卵形で、基部は狭くなっています(上の写真)。 上の写真では少し裂けて変な形になっていますが、葉基部の両翼は細く伸びています。

 上は葉先です。 平凡社の検索表で、中肋はふつう葉先に達するか、中肋は葉先に届かないかの分岐があります。 上の写真では中肋は葉先に届いていませんが、検索表の「葉先に達する」を選ばないとケチョウチンゴケにはたどりつけません。 ケチョウチンゴケの解説を読むと「中肋は多くの場合葉先または葉先近くに達する。」とあって、写真の葉は「ふつう」や「多くの場合」ではないことになりますが、これまでにブログに載せた本種を見返してみても、こちらこちらも中肋は葉先に達していません。

 上は葉のほぼ中央の葉身細胞です。 ほんとうに大きな細胞です。

 このような大きな六角形の葉身細胞や、葉緑体を持った舷の様子、葉の先端の小さな突起の様子など、ケチョウチンゴケでよさそうです。

(2022.4.30. 六甲山)

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