上は8月16日に載せたリュウキュウミノゴケの葉の基部の写真(再掲)で、深度合成しています。 縦皺もある(=高低差がある)葉で、シャッターを1回押すだけでは、このような写真は、いくら工夫しても撮れないでしょう。 今回は、このような写真をどのように作成したのか、具体的に書いてみます。
使用したカメラはオリンパスのTG-6で、このカメラはレンズが中央にあるため、顕微鏡の接眼レンズの上にちょこんと載せて撮影できます。
深度合成は少しずつピントをずらした複数枚の写真を撮り、ピントの合った部分をコンピュータの深度合成ソフトを使ってつなぎ合わせる技法ですが、顕微鏡写真でこれを行うにはカメラにマニュアルフォーカスモードがなければなりません。 TG-5以前のカメラにはマニュアルフォーカスモードが無く、オートフォーカスモードでは、顕微鏡で少しピントをずらしても、カメラでピントを合わせなおすという“いらないお世話”をしてくれるので、ピントがずれません。
ちょこんと載せるだけて撮影できるのは、三眼鏡筒式または直筒式(こちら)の顕微鏡の場合です。 鏡筒が斜めになっている顕微鏡では、カメラを固定する工夫が必要になります。
深度合成するためには、顕微鏡の調節ねじを少しずつ動かしてピントの合う場所を少しずつずらして複数枚の写真を撮る必要があります。 この時カメラの位置を動かしてはいけないのですが、シャッターボタンを押す時に、どうしてもカメラを少し動かしてしまいがちです。 少しのずれは深度合成ソフトで補正してくれますが、できるだけカメラを動かさないようにしてシャッターを押すのは、なかなかたいへんです。
オリンパスはカメラとスマホをつなぐ「Ol.Share」というアプリを作っています。 このアプリは画像転送なども行えますが、リモート撮影つまりカメラに手を触れずに撮影することが可能です。 TG-6は無線LAN機能(Wi-Fi)を持っていますので、スマホにインストールした Ol.Share を起動しておき、TG-6のメニューからスマートフォンと接続します。
Ol.Shareのリモート撮影機能には、「ライブビューモード」と「ワイヤレスレリーズモード」の2つのモードがあります。 「ライブビューモード」では、スマホ画面でカメラの映像を見ながらカメラの設定もスマホで行い、撮影します。 「ワイヤレスレリーズモード」は、様々な撮影設定はカメラで行い、スマホでレリーズ操作(シャッターを切る操作)を行います。 深度合成では撮影条件が同じ方がいいので、後者のモードで、顕微鏡でピントを少しずつ変え、それをカメラのモニターで確認しながら、カメラには一切触らず、スマホでシャッターを切るという方法がいいようです。
撮った複数枚の写真を深度合成するにはコンピュータのソフトが必要になります。 性能のいい有料のものもいろいろありますが、私はフリーソフトの「Combine ZP」を使っています。 最初に載せた写真も、以上のようにして深度合成した写真です。
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