2022-09-21

ヒカリゴケの原糸体・配偶体・胞子体 ①

 今年行った北八ヶ岳(2022.9.3.~9.5.)では行った先々でヒカリゴケをみつけました。 群生地をまとめて1カ所としても、計5カ所になります。 何らかの影響で増えたのか、今まで気づかなかっただけなのか・・・。

 ヒカリゴケ Schistostega pennata が光るのは原糸体の丸い細胞が光を反射するからで、原糸体から生じる配偶体(いわゆるコケ本体)は光らないことはこちらに書きました。 上の写真でも、赤い円内などにわずかにみられる配偶体は光っていません。

 ヒカリゴケの群落が成熟するにつれ、配偶体が増えてきます。

 上の写真では配偶体ばかりが目立っています。 配偶体は葉を2列につけ、植物体全体としてはとても扁平なのですが、上の写真ではどの配偶体もカメラの方に広い面を向けています。 これはカメラの位置がヒカリゴケの生育する洞の入り口であり、洞に光が入る所にあるためです。 つまりヒカリゴケの配偶体はいちばん効率的に光を受け取ることのできる姿勢を取っていることになります。

 群落が充実してくると胞子体を作り始めるようです。 上の写真の右奥には、ピントは合っていませんが、胞子体をつけたヒカリゴケが写っています。

 上の写真の中央が胞子体です。 生殖器官をつけていない茎は上述のように葉を2列につけているのですが、胞子体を頂につけている茎はとても短く、その茎の葉は茎頂に集まり5列につきます(上の写真の赤い楕円内)。

 上は蒴で、胞子が出てきています。 蒴歯はありません。

 以上、生育地での様子をまとめました。 こちらには、室内でもう少し細部を細かく観察した結果を載せています。

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