2022-09-08

ヒロハホラゴケモドキ

 札幌市にある手稲山の中腹の腐葉土の上で育っていた写真のコケ(2022.8.24.撮影)、葉は長く、ほとんど重なっていません。 この苔類は・・・

 上は顕微鏡で腹面から見ています。 葉は舌形~細長い三角形で、長さは約1mm、葉先は鋭頭~円頭で、所々2歯が見られます。 腹葉の幅は茎径の2~3倍です。
 腹片が無いところから、CALYPOGEIACEAE(ツキヌキゴケ科)だと思い、平凡社の検索表をたどると、葉の背縁は全縁で、よく見るトサホラゴケモドキなどの白っぽい緑色ではないところから、Metacalypogeia(アオホラゴケモドキ属)になります。
 平凡社ではこの属に2種あり、腹葉の幅は茎径の2~3倍あるところから、ヒロハホラゴケモドキになります。 しかし平凡社の図と比較しても、写真のコケはとても「ヒロハ」とは思えず、M氏に助け舟を要請、検討していただいた結果は、ちょっといびつな葉の形だが、ヒロハホラゴケモドキ Metacalypogeia cordifolia だろうということでした。

 上は腹葉です。 薄くてなかなかくっきりと撮れないのですが、多くの腹葉は写真のように葉先が浅く凹んでいる腎臓形でしたが、円形に近いものもありました。

 上は葉身細胞です。 薄壁で、油体はたくさんあり、小さいが明瞭なトリゴンがあります。


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