2023-11-14

ケネジクチゴケ

 ネジクチゴケなどが属する Barbula(ネジクチゴケ属)は、平凡社の検索表には日本産9種が載せられていますが、その違いはわずかで、同定がなかなか難しい属です。
 オカモス関西(正式名称は岡山コケの会関西支部)では毎月定例で「コケサロン」を開いています。 以前このコケサロンで、Kさんが Barbula 3種の比較検討を発表されました。 今回、そのKさんに、そのうちのトウヨウネジクチゴケとケネジクチゴケを案内していただきました。 

 

 上がケネジクチゴケ Barbula subcomosa です(11月11日撮影)。 と言っても、この写真だけからの同定は不可能でしょうが・・・。

 葉の長さは 1.5~2.5mmです。 無性芽は無いとされていて、今回もみつかりませんでした。 これまでケネジクチゴケとして載せていたこちらは、無性芽があるので、本種ではないでしょう。

 乾くと上のように縮れます。

 葉は全縁、漸尖し葉先は鋭頭~鋭尖、中肋は葉頂に達しています。 基部近くで葉縁が反曲している葉が多く見られました。 上の写真の葉は長舌形ぎみですが、最初の写真を見ると、披針形の葉が多いようです。

 上は、2つ折れになった葉で、中肋背面を横から撮っています。 中肋背面にはたくさんのパピラがあります。

 上も中肋背面で、多数のパピラが確認できます。

 中肋腹面の表皮細胞は方形で薄壁です(上の写真)。

 上は葉の中央部の葉身細胞で、パピラがあります。

 上は葉の中央付近の横断面です。 葉身細胞は腹面にも背面にもパピラがあり、中肋腹面の表皮細胞はマミラ状です。

0 件のコメント:

コメントを投稿