コハネゴケに囲まれてミドリツヤゴケ
Entodon viridulus がありました。
茎はやや羽状に分枝しています。
ヒロハツヤゴケや
エダツヤゴケなどの蒴柄が濃い色をしているのに対し、本種の蒴柄は黄色をおびています。
葉は長さ1.4~1.8㎜、幅0.7~0.9㎜の卵形~狭卵形でほぼ全縁、先は広く尖り、中央部は凹んでいます。
上は葉の基部近くです。 中肋は短く二叉していますが、不明瞭な場合もあります。 翼部は多くの方形の細胞が密に並んでいます。
上は葉身細胞です。
上は帽を外して撮った蒴です。 蒴は円筒形で直立しています。 なお、この「直立」は蒴と蒴柄の関係を言っているのであって、蒴がまっすぐ上を向いているとは限りません。
この蓋のついた蒴を縦に切断し、蒴の内側から蒴歯の部分を見たのが下です。
Entodon(ツヤゴケ属)の蒴歯は2列で、間毛はありません。 上の写真で太く色の薄いのが外蒴歯、細く色の濃いのが内蒴歯です。 ツヤゴケ科は一般に内蒴歯の発達が悪く、ツヤゴケ属も内蒴歯の基礎膜は低く、歯突起は細いのですが、長さは外蒴歯と同じまたはほんの少し短いだけです。
本種の内蒴歯には、外蒴歯に見られるような細かい縦の条は見られません。 この点がツクシツヤゴケと見分けるポイントの1つになります。
(2019.12.28. 岡山県井原市)
◎
こちらには5月のミドリツヤゴケの胞子散布後の姿を載せています。
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