上はヒメアカヤスデゴケ
Frullania parvistipula でしょう。 葉の無い茎が目立ちます。
育っていたのは上の写真の石垣です。 上の写真には、葉状地衣の他に、2種類の苔類が写っています。 上方の黒みを帯びた緑褐色のものはがカラヤスデゴケで、下方の赤褐色のコケが本種です。
平凡社の図鑑では本種の着生場所は「低地の樹幹」となっていますが、多くの情報を詰め込まなければならない図鑑の記載では、多くの場合「多くは」が省かれていると見るべきでしょう。
多くの気泡が入ってしまいましたが、上は顕微鏡で見た本種です。 葉(背片と腹片)にピントを合わせていますので、腹葉はボケてはっきりしません。
本種は背片も腹片も大きさの変異が比較的大きいのですが、上の写真の場合は、腹片が大きいと言うべきなのか、背片が小さいと言うべきなのか、腹片の幅と背片の長さにはあまり差がありません。
上は葉(背片と腹片)が無くなって、腹葉だけが残っている茎です。
こちらにも書きましたが、本種の特徴の1つに葉が脱落し易いことが挙げられます。
この脱落した葉は・・・
脱落した葉からは新しい植物体が誕生します。 上の2枚の写真では、背片の一部の細胞が細胞分裂を繰り返し、新しい植物体ができつつあります。
このような、無性芽からではなく、植物体の一部から新しい植物体が生じる無性生殖を「栄養生殖」と呼んでいます。
本種の背片から新しい植物体が生じることは
こちらにも載せていますが・・・
上の2枚では、腹片から新しい植物体が作られつつあります。
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