2015-11-04

ヒメアカヤスデゴケ



 上の2枚(倍率は異なります)はヒメアカヤスデゴケ( Frullania parvistipula )です。 コナラの樹幹に着生していました。 一部は緑色をしていますが、ほとんどの葉は赤褐色です。


 小さなコケで、左右の葉を合わせた茎の幅は0.5mmほどです。 上の写真のスケールの最小目盛は0.1mmです。 これくらいの大きさになると、スケールの厚さ(0.2mmほど)がありますので、深度合成でもしない限り、コケとスケールの両方にピントを合わせることは無理になります。


 湿らせるとすぐに葉を広げてくれるのですが、葉の広がり方はとても立体的です。 上はカバーグラスをかけずに顕微鏡で撮ったものです。 しかしこれではピントの合う範囲が狭すぎ、観察にはなりません。
 観察するには、カバーグラスをかけ、カバーグラスとスライドグラスを引き合わせる水の力で平らにするしかありません。 3枚目のスケールの写真も、そのようにしたヒメアカヤスデゴケです。


 ヒメアカヤスデゴケの特徴の1つは、葉(側葉)が落ち易いこと。 上の写真では、背片も腹片もわずかしか残っていなくて、辛うじて腹葉が残っています。 乾いた状態では、ピンセットでつまんでも、すぐ葉が落ちてしまいます。
 この葉が落ち易いという性質は、どのような意味があるのでしょうか。 ヒメアカヤスデゴケは背片に無性芽ができるのですが(こちら)、もしかすると無性芽をつけていないようにみえる落ちた葉からも、新しい個体が生じる可能性があるのかもしれません。
 背片と腹片の立体的な位置関係や葉の落ち方を見ていると、背片と腹片のつながりは強くないように思います。


 上は比較的葉がよく残っていてゴミも少ない所を選んで撮ったものですが、それでもあちこち背片や腹片がなくなっています。 腹葉はあるのですが、茎と重なって見分けにくくなっています。 腹片の中にある丸いものは気泡です。


 上は腹葉(左)と腹片(右)にピントを合わせて撮ったものです。 腹葉には深い切れ込みがあります。


 上は背片の細胞です。 それぞれの細胞に複数の油体が存在しています。

(2015.10.30. 堺自然ふれあいの森)

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