上はオオバチョウチンゴケ
Plagiomnium vesicatum です。 水がじわじわと流れる岩の表面で育っていました。 上の撮影は2月23日で、直立茎がまさに伸びはじめていて、匍匐茎も見えています。
同じ場所を5月20日に訪れると・・・
直立茎が大きく育っていました。 多くの茎頂についている大きな苞葉を伴ったものは雄花盤と思ったのですが、黒っぽいものや褐色のものなどがあり、色の違いが何を意味するのか知りたくて少し持ち帰りました。
まずは全体の観察から。 1枚の葉も植物体もかなりの大きさです。 植物体は匍匐茎から立ち上がった直立茎のようです。 なお、
こちらには直立茎と匍匐茎の関係がよく分かる写真を載せています。
葉縁には4~6細胞列の舷があります。 アツバチョウチンゴケも似た環境に育つ大きなチョウチンゴケですが、葉縁の舷は不明瞭です。
本種の葉縁の歯は、上のような単細胞の歯が並ぶものから、
こちらに載せたようなほとんど歯がないものまであります。
雄花盤と思われるものの断面を見て驚きました。 予想に反して、たくさんの側糸の中に見えたのは造精器ではなく造卵器でした。 雄花盤はよく知られていますが、上の様子を見ると「雌花盤」という言葉があっても良さそうに思えます。
上は造卵器の拡大です。 卵細胞らしきものも見えます。
2枚目の写真のところで書いた色の違いは、断面の観察からはほとんど違いはなく、成熟度の違いだったようです。
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