2018-07-07

胞子体をつけたケチョウチンゴケ


 上の写真のコケ、葉に細かい粒がたくさんついているように見えますが、細かい水滴が光を反射しているためです。 チョウチンゴケ科とはすぐに分かりますが、種名の同定までは自信が持てず、持ち帰って調べてみると、ケチョウチンゴケ Rhizomnium tuomikoskii でした。
 ケチョウチンゴケは私の家の近くにも大きな群落があり、これまでに1月8月の様子を載せていますが、いずれも葉の上に仮根や無性芽がある状態で、上の写真のように葉の上にこれらが無く、胞子体をつけているものを載せるのは、初めてです。
 ただし、胞子体をつけていた植物体の葉は茶色くボロボロ。 以下は胞子体をつけていなかったもので、ケチョウチンゴケを確認した時の記録です。


 上の写真のように配偶体が赤みを帯び、うちわのような広い葉が茎の上部に集まってつき、葉縁が全縁であるのは、ウチワチョウチンゴケ属( Rhizomnium )の特徴です。


 葉は幅広い倒卵形で、最も幅の広い所は葉の中央より先です。 葉の基部は狭く、葉の先端に小さな突起があります。 中肋は、上の葉では葉先近くに達していますが、葉先に達する場合もあるようです。


 舷が明瞭で、横断面で多細胞層になっているのも Rhizomnium属の特徴の1つですが、多細胞層になっているのはピントを少しずつずらしていけば容易に観察できるので、葉の横断面を作るのは止めました。


 Rhizomnium属の特徴の1つに、茎の横断面で、発達した中心束の存在がありますので、上はそれを確認したものです。 なお、上の切片は染色していません。 赤い色は茎が本来持っている色です。

 同じ属のスジチョウチンゴケは、少し小型ですが、上に書いたケチョウチンゴケと同様の特徴を持ち、よく似ています。 スジチョウチンゴケは葉の上に仮根や無性芽をつけませんが、仮根や無性芽をつけていないケチョウチンゴケとの最も明瞭な違いは葉身細胞にあるようです。


 上はケチョウチンゴケの葉身細胞です。 スジチョウチンゴケの葉身細胞は、もっと小さく丸く、厚角です(こちら)。

(2018.6.1. 青森県 蔦沼めぐり自然研究路)

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